セントーサ島の不動産売買が活況

8月29日のStraits timesの記事で、セントーサ島の住宅不動産売買が活況を取り戻していると報じています。8月16日までに85戸のコンド住宅、18戸の戸建て、合計103戸が売買されたとのこと。去年は1年間でコンド43戸、戸建て13戸の売買件数であったころから、倍増以上のスピードのようです。専門家は、セントーサ島の物件価格が比較的安価なこともあり、シンガポール本島の高級物件の需要増が波及しているのではという見方をしている。

外国人が唯一戸建てを購入できるセントーサコーブ

セントーサ島のSentosa Coveは2006年に住宅区域としてスタートしたが、シンガポールで唯一外国人が戸建て物件を購入できる(政府の承認が必要であるが)地域となっています。同地区には、高層のコンドから高級バンガローまで総戸数2160戸を有し、ヨットハーバーが隣接する超高級なリゾートスタイルを満喫できます。特に海に面した超豪華な不動産はセレブや有名企業家が所有していたりします。地元のBioskinブランドの創始者であるMathilda Koh女史はSerapongゴルフコースを見渡す2階建てのバンガローを$3.1m($1,327/FT²)で購入しました。売り手はこのバンガローを2010年に$6.26mで購入したので、半額で購入したことになります。

価格上昇がみられる

コンド価格の方は2010年にピークを売った後40%も下落し、戸建ても2016年から下がり始めました。ただ去年あたりから上昇傾向がみられています。今年5月にはDBS銀行CEOの奥さんが3ベッドのコンドを$3.45mで購入しましたが、単価は同コンドの平均$1,500を大きく上回る$1,705/FT²でした。また先月には8,384FT²の戸建てが$20mで売却されましたが、こちらも今年の戸建て売買単価平均$1,841を大きく上回る$2,385となったとのこと。コンドの価格は去年は平均$1,484/FT²であったが、現在$1,500~1,600/FT²の辺りとなっています。

活況はコロナの影響

コロナ禍で外出規制や在宅勤務が恒常化し、また最近は規制緩和が進んでいるものの将来的にはまた同じようなことが起きる可能性があることから、セントーサ島の立地の不便さという点は障害となら無くなっているようです。街中の喧騒から離れた、安全な場所としてむしろ有利に働いているようです。売買が活況となって来ていても、高いレントが期待できると保有継続を望んでいる家主も多いようです。空室率が高かったことから新規プロジェクトの計画は無い状態から、最近では契約満了前に新規テナントが決まる例も増えてきている。